スズキのコンパクトSUV・クロスビーのマイナーチェンジの予測が発表されました。
安全性能等も追加になる予定ですが、注目すべきはエンジンの変更です。
1Lターボから1.2LのNAへと変わり、ターボエンジンは廃止となるそうです。
ターボエンジンというのはざっくり言えば馬力を1.5倍に出来るので、1Lターボというのは実質1.5Lの車のパワーを持つと考えて差し支えないでしょう。
つまり、今回のマイナーチェンジは(実質)1.5Lから1.2Lにパワーダウンしてしまう変更となり、これには賛否両論。
実際、現在は99馬力ですが、これが91馬力になるのですから約10%の減少です。(共にマイルドハイブリッドの3馬力含めず。)
では、なぜわざわざパワーダウンさせてしまうかと言えば、そこには燃費向上の意図があると思われます。
特にスズキはストロングハイブリッド搭載車が軌道に乗らなかった為に、再びマイルドハイブリッドに戻す動きがあります。
こうした背景から『CAFE規制』(企業に課せられた燃費の目標値)を達成する為にも、より各車種の燃費向上が喫緊の課題になっていた事と思われます。
ユーザーとすれば複雑なところで、燃費向上はもちろんうれしいが、1.5L級のパワーを使って高速域でも軽快な加速性能を気に入っていた方にとっては不満に思うでしょうね。
それに、排気量で変わる税金も1Lは優遇されていただけに、1.2Lに変更されたことで維持費が増加します。
ただし、色々複雑なのが燃費性能をクリア出来ればエコカー減税で結果的に安くなる側面もある為、ユーザーにとってもメーカー側にとっても燃費性能は売れ行きや本体価格、税金に影響を与える重要な要素になってくるでしょう。
ちなみにトヨタのライズも既に一部1Lターボを廃止になっており、こちらも1.2LのNAに変更になっています。
ただし、これはFFモデルに限った話で、4WDでは引き続き1Lターボが継続されています。
これは既述のように『走りの爽快さ』という観点で見ればターボに分があるわけで、そうした物を求めるユーザーのニーズにトヨタは応えているわけです。
また、トヨタにはルーミーというコンパクトミニバンがあり、車重が重いことから普通車でありながらかなり鈍重な加速感が弱点の車です。
(ライズが約980㎏に対して、ルーミーは約1070㎏で形状からも風の抵抗が多い。)
そんなルーミーの弱点を補う為にもパワーが高いターボエンジンが必要なわけで、ルーミーにも同じ1Lターボのモデルが存在しています。
そうした事情もあり、トヨタでは1Lターボエンジンの実需が存在する為、わざわざライズで完全に廃止する必要は無いと判断されたのでしょう。
対して、スズキの場合はかつてノーマルスイフトにも1Lターボモデルが販売されていましたが、現在は廃止され、そして今回クロスビーも廃止の予定。
1.2LのNAはスイフト、ソリオなどにも使用されているエンジンなので効率的な生産を可能にするでしょうし、クロスビー自体がスズキの主力にはなっていない車種なので、ターボを求める層が「切られた」のは理解出来ます。
というのも、クロスビーを購入するのはその外観に惚れた女性ユーザーが多いと私は踏んでおり、彼女らは軽快な走りその物はあまり重視していないのではないでしょうか。
そうした層にとっては、燃費向上、航続距離上昇はむしろプラスに働くでしょうし、今後もクロスビーは安定した販売台数を維持すると思われます。
燃費性能は現在の2WD・クロスビー1.0Lターボが18.2㎞/Lですが、これが1.2LのNAに変わることで、20.5㎞/Lまで上昇する予定です。
リッター20キロを突破すると印象も変わりますね。
まとめると、ハイブリッド車の販売割合が多いトヨタはアクアやプリウス等の燃費に優れた車種が充分目標達成に貢献してくれているので、燃費を気にせず満遍なくユーザーの希望に応える全方位での商品展開が可能・・・。
対してスズキは燃費性能に特化したストロングハイブリッド車が無い為、なるべく各車種の燃費の底上げするべく、エンジンやプラットフォームを統一化して開発費に回したり、車種の軽量化に注力しているということです。