【ノマドを契約しなかった理由】ジムニーノマドとシエラの比較【なぜ4人乗り?長所、短所は?】

2025年2月5日

ジムニーノマド発売が公式発表されると同時に注文が殺到し、僅か4日で受注停止となりました。
既に納期は2~3年以上とのことで、中古車市場でプレミア価格が付くのは必至です。

こうなることはジムニーノマド発売前から予測していましたので、私もノマドの契約をするつもりで準備はしていました。

しかしながら、海外仕様のジムニーノマドのスペック等を見ていくうちに、消極的になっていき、結局は公式発表されたものの契約するには至りませんでした。

その理由をジムニーノマドとジムニーシエラの比較をしながら、両者の違いと長所、短所などを記していきたいと思います。

ノマドの荷室は広いが、小回りは全く利かない!
全長回転半径荷室長車重
ジムニーノマド3890㎜5.7m590㎜1190㎏
ジムニーシエラ3550㎜4.9m240㎜1090㎏


・・・まずは寸法から見ていきましょう。
ノマドはシエラに対して約35センチ全長が長く、軽自動車規格から脱して、普通車のAセグメントの大きさになります。

この延長分はほぼ全て、ノマドの荷室の長さに活かされており、シエラの荷室長が24センチだったのに対し、ノマドは59センチですから『荷室としてきちんと機能している』領域に大きく変わりました。

例えばスーパーマーケットの買い物かごの大きさは短い辺で約35センチ、長い辺で50センチ程度が一般的。

つまり、シエラの荷室ではマイバスケットすら荷室に置けないのが、ノマドでは縦置きも横置きも出来るわけです。
これはファミリーユースする上で非常に大切で、この荷室拡大というポイントはノマドの大きな長所の一つと言えるでしょう。

しかし、その全長・荷室を延長した分のデメリットも当然あります。
それが駐車や狭い道への右左折で関係してくる『最小回転半径の大幅な増加』です。

ジムニーシエラの最小回転半径は4.9mです。
ジムニー自体が特殊な構造の車ですから、軽自動車規格としてこれは『小回りが利かない部類』です。

例えば軽自動車ナンバー1の販売台数を誇るホンダのN-BOXの最小回転半径は4.5mで、同じスズキの軽であるハスラーは4.6mとなっています。

ジムニーシエラの4.9m数値というのは、Bセグメントのコンパクトカー並であり、日産ノート(4.9m)(※グレードによる)や、トヨタ・ヤリス(4.8m)(※グレードによる)と同程度になります。

それが、ジムニーノマドに至ってはなんと最小回転半径5.7m
これはトヨタ・ハリヤーやノアの5.5m(※グレードによる)よりも大きな数値であり、Dセグメント級のSUVやミニバンよりも『小回りが利かない=駐車や狭い道での右左折が難しい』ことを表す数値です。


もちろん、車の取り回しは正確にはオーバーハング等も考慮する必要がありますが、ジムニーノマドは「見た目の小ささに反して、想像よりも遥かに大回りしか出来ない」のは紛れもない事実です。

この点がノマドを契約しなかった最大の理由です。
現在、我が家のセカンドカーとして活躍しているジムニーシエラは実質、妻専用になっており用途は通勤と近所での買い物です。

これは我が家の事情ですが妻にハリヤー、ノアクラスの大きな車を運転させたら、ぶつけるのは時間の問題であり、残念ながら妻に取り回しの悪いジムニーノマドを任せるのは無理であると判断しました。

現在、発表されたのみの段階であるノマドは、まだディーラーに試乗車が存在しません。
ですから今、ノマドの契約をしている方というのは、ほぼ全ての人がこの小回りの利かなさを実感せずに契約しているわけで、この点について理解していない場合は、イメージとかなり乖離があると思いますので注意が必要です。


次に全長が延びたことにより車重も上がっています。
シエラより100キログラムの増量で、1190キログラムという重量は同じような大きさに分類されるトヨタ・ヤリスやライズの970キログラム(※グレードによる)を大きく上回っており、Cセグメントのトヨタ・カローラの1230キログラム(※グレードによる)に近い数値。

これも前述の通り、ジムニー自体が悪路走破性を備えた特殊な車両であり、頑丈なフレームの代償とも言える重い車重となっています。
これは当然、加速や燃費に関わってきます。

両者は同じ1.5Lエンジンを積んでいるので、加速感は当然、車重の重いノマドの方が悪いです。

ノマドもシエラも4人乗り、価格差約60万円
燃費定員価格製造国
ジムニーノマド13.6㎞/L4名275万インド
ジムニーシエラ14.3㎞/L4名218万日本


・・・前項の続きになりますが、ジムニーそのものが車重が他の車よりも重い為、シリーズを通して燃費は悪いです。
その中でも、ジムニーノマドは最重量となっており、燃費についてもシエラよりも当然悪くなります。

ガソリンモデルのトヨタ・ヤリスや、ホンダのN-BOXが約20㎞/L程度。
ガソリンモデルのトヨタ・ハリアーやノアが約14㎞~15㎞/L程度なので、大型車のそれに劣るカタログスペックとなります。

つまり、コンパクトな見た目に反して、燃費の悪い車です。
ただ、これについてはノマドとシエラで大きくは変わらないですね。
ノマドが更に悪いのは間違いありませんが・・・。

ちなみに乗員数ですが、ジムニーノマドの乗員数を
「5ドアだから5人乗り」
と勘違いしている方もいますが、それは誤解で、ジムニーノマドもジムニーシエラも4人乗りです。
そもそもシエラもノマドも全幅は同じですからね。

どちらも軽自動車ではなく普通車ではありますが、シエラは軽自動車規格のジムニーにオーバーフェンダーを付けたもので車内は軽自動車なのです。
ノマドはそれに荷室をくっつけたような物だとイメージして下さい。

ですから、この点はジムニーノマドのコンセプトと思われるファミリーユースに矛盾する要素ではあるのですが、そもそも狭くて5人乗りには向かないわけです。

続いては価格差。
両者では約60万円の差があります。
上記の通り、シエラにドアと荷室をくっつけて+60万円か・・・と言ってしまうのは暴論ですが、私がイメージしていたのは+30万円程度でした。

両者の違いについては、全長の拡大と後部座席の品質向上に主なコストが掛かっていると個人的には思いましたので、(ACC追加などで安全性能も向上しているのでしょうが)そこに+60万円、つまり約25%増しというのは、想定内の中の最高値でした。

この価格でいきなり注文殺到、受注停止ですから大正解の値付けなのでしょうが、初めのプレミアはともかく、今後両者が普及した後のリセールバリューを考えると、この差がどう影響しますかね。



ちなみに製造国は、ノマドはインド製で、シエラは日本製。
塗装や組み立て等のクオリティについては、日本国内で出回る車両については両者に違いは無いと思いたいですが、他メーカーでインド製の逆輸入車の評判を見ていると、国内製造より雑で新車なのにクリア層が既に浮いているだとか、謎のシミがある、内装に傷があるなど結構なトラブルを聞きました。


また、インドから日本の工場に運んで、そこでもう一度検査を受ける事になるので、シエラよりも時間を要す傾向にあるのは間違いありません。

これは上記の車両の価格比較にて「感覚よりノマドは高い」と感じた疑問の答えの一つでもあります。
ノマドにはインドから一度輸入して日本の工場を経由して、再検査してからユーザーに渡る分のコストが掛かっているわけです。

ノマドは後席優秀、シエラの実需、リセールバリュー高し
後部座席フラット車中泊リセール
ジムニーノマド厚い××
ジムニーシエラ薄い


・・・ジムニーノマドとジムニーシエラの使い勝手の違いですが、至極当然の事を言えば5ドアであるノマドの方が使いやすいでしょう。

ジムニーシエラ所有者として感じたこととして、3ドアの場合、後席に荷物は置いて、降車時にそれを下ろす際に毎回前の座席をスライドさせる必要があります。

この事自体は苦ではないと想定していたのですが、片手に荷物を持ちながら、もう一方の手でスライドさせることは出来ませんでした。
大荷物だと中々不便で、そういう際には後部座席を倒した状態のフルフラット荷室にした状態で、リアゲートから取るようにするべきですね。

しかしながら、リアゲートはノッチが無いので開けると全開になってしまうため、これはこれで狭い場所では使いづらいです。

その点、5ドアであるジムニーノマドは後部座席単体で使用出来るので、そういう心配はいらないですね。
ノマドの方が、日常使いに便利なのは間違いありません

また、後部座席の造りですが、ジムニーシエラはシートがペラペラで座り心地は悪いです。
バスの補助席をイメージしてもらうと良いでしょう。

この辺りの画像は先日書いた記事に載せているので、ご覧頂ければと思います。

ジムニーシエラ納車と感想【長所・短所・後悔・注意点・乗り心地・納期】

対して、ジムニーノマドの後部座席は画像等を見る限り、間違いなくクオリティは向上しており、座り心地は良いでしょう。

シエラの後部座席は3ドアであること以上にその質に問題がありますので、エマージェンシーな使い方を推奨しますが、ノマドの後部座席は普通にファミリーユースが出来る品質だと思います。

ただし、その厚みが仇となり、後部座席を倒した際にはフルフラットになりません。
嵩張る感じは仕方ありませんが、これにより後部座席を倒して荷室とつなげた際の室内空間でいうとジムニーノマドよりもシエラの方が効率は良いと感じます。

シエラの後部座席シートがペラペラであることが、ここに活きてくるわけです。
大量の荷物を積む方は実はシエラの方が使い勝手が良いわけです。

また、上記の理由により、車中泊性能についてはシエラの方が上になります。
というよりも、ジムニーノマドでは車中泊は出来ないに等しいと思われます。

シエラはフルフラットになり、助手席ともつなげて大きなベッドスペースを作ることが出来る為、大人が足を伸ばして寝ることが可能ですが、ノマドでは同様のレイアウトが作れません。

助手席を後に倒した状態では、大きくなったノマドの後部座席を前に倒すことが出来ないからです。

ノマドでは斜めに膨らんだ後部座席と荷室をフラットにするキットをスズキ純正で販売する予定としていますが、それだけでは車中泊で大人が寝る寸法にはならないと思っています。
あくまで荷物を多く積む目的ですね。(それでもフラットにすると、元々の荷室をかさ上げすることになり、下部のデッドスペースが増えるはずで効率的とは言えません。)


以上の事から、ジムニーノマドの主たる目的は後部座席に人を乗せることになるでしょう。
その上で荷室が普通に使える・・・という正にファミリーユース向け。

ただし、先述の通り荷室と後部座席を合わせた空間で見ると、その使い勝手はジムニーシエラに分があり、小回りの良さも考えると、シエラのコンセプトは別にあります。

ジムニーシエラの方が仕事で大量に荷物を積む使い方には合っており『仕事車』としての実用性の高さを感じます。

日本でもハイエースや軽バンのように商業車は実需の高さから、年数が経ってもリセールバリューを失いません
ジムニー自体は自家用車ですが、国内よりも海外で林業・山間部などで運搬やパトロール用の需要が高く、相手国の輸出可能時期が来ると更に値上がりする傾向にあります。

最小回転半径の小ささや後部座席を倒した状態の荷室の使い勝手の良さ、価格の安さを考えると、今後もジムニーシエラの海外需要は根強く続くでしょう。

もちろん、ノマドにも頑丈なフレームな備わっており、高い走破性能から海外の悪路でも4人を快適に安全に運ぶという点は評価されるはずですから、ノマドの実需が少ないということも無いです。


結論としては、それぞれ異なるコンセプトで棲み分けられ、どちらも高いリセールが保たれると思われます。

ただし、日本国内で見た場合、直近数年はノマドの方がリセールバリューが高いのは間違いありません。
これは新規注文がノマドに集中することで、供給が間に合わず希少価値を生むからであり、プレミア価格は続くことでしょう。

同時に現在は、シエラ注文者がノマドへ変更出来る特殊な状況で、多くの人がノマドに変更することでシエラのキャンセルが続出。

なんと、先日まで10ヵ月~1年程度だった納期が短縮され、2か月程度でシエラが納車出来る状況だそう。
当然、この供給過多の状況下でのシエラのリセールバリューは、大きく低下する事態は避けられないでしょう。


ですから短期におけるリセールバリューのみを目的にするならば、ジムニーノマドを購入しておいて間違いありません。
しかしながら、日々その車を使用しながら高い価格で売却して乗り換えるというスタンスならば、最小回転半径の悪さによる使い勝手の悪さが気になる所であり、私は契約しなかったという事です。

また、ジムニーは明らかな乗り心地の悪さから「酔いやすい」という感想を私は持ちました。

この点でノマドはファミリーユースがコンセプトになると思いますが、一般に大人より酔いやすい子供が後部座席に乗ってどう感じるかというのも一抹の不安を感じますね。


「流行っているジムニーに、ついに家族で使えるモデルが出たから」
という安直な理由だけで契約すると、後悔するかも知れません。

ジムニーについては他の記事も書いておりますので、宜しければご覧ください。

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