車中泊必須アイテムを揃えたところで、いよいよ車中泊を実践です。最後は愛車を使って車中泊をしている様子をフルフラットのベッドスペース作成と共に紹介していきたいと思います。と言っても寝るだけなので、寝床の確保とマットレス設置、やってみて分かる困る事等、あくまで車中泊を未経験の方、初心者の方向きの内容となっています。

まずは車中泊する車の寸法などから紹介します。
・レクサスUX(ハイブリッド、AWD)
・全長4495㎜ 全幅1840㎜ 全高1540㎜
・室内高1170㎜ 荷室高570㎜ 室内幅1520㎜ ベッドスペース1900㎜(当サイト調べ)
スペックで気になるのが荷室高が相当低いこと。これは非常に特殊なケースなのですが、後席を倒した高さよりも、低いです。後席を倒した場所の天井までの高さは670㎜程なのですが、それよりも低い・・・つまり、荷室の方が床面が高い位置にあるのです。
よって飲食を行うのは厳しいです。ベッドスペースではペットボトルを上にして飲むことも出来ません。寝仏のようなポーズで飲むしかありません。
しかもサンルーフが付いており、これも本来より天井を40㎜程圧迫していると思われます。
しかし、ベッドスペースは木材の板を1枚敷くだけでほぼフルフラットが可能で、長さも1900㎜と充分あるため、妻と同時に大人二人で泊まることが可能です。快適とは言い難い車ですが、車中泊のメインである寝るという行為については特段の不便はありません。
ハイブリッドであることで、熱中症や急な冷え込みの際には常時アイドリングをすることもなく冷暖房も使用出来(後述)、AWD(4WD)なので旅先で急な降雪があっても走る切ることが可能です。

まずは荷室に車中泊に使う荷物を積んでいきます。私の場合、実際にはある程度ベッドを作ってから出掛けるのですが、後部座席を畳まずに荷室に詰め込んだ様子を疑似的に再現してみました。

う~ん、パンパンです。上から順に、
・ベッドスペースの床として使う木板
・6つ折りウレタンマットレス(シーツ装着済み)
・キャンプ用マット×2
・フロントガラス用サンシェード(画像右側)
・滑り止めシート(画像左側)
・アルミシート
最後の2つは特に無くても構いませんが、便利グッズです。走行中にクーラーボックス他、荷物がずれない為や、マットレスのずれを防ぎます。アルミシートは底冷えを防ぐ寒さ対策や、養生テープでリアガラスなどに貼れば目隠しになります。

これは高さ調整に使うジョイントマットですが、私の車種の場合は少し違う目的で使用。後部座席を倒したまま数か月使用したことがあるのですが、革のシートの座面に一部へこんだ跡が付いた事があります。温めてシワを伸ばした所、無事元通りに復活したのですが、ちょっと焦りました・・・。
そこでこのように、緩衝材としてへこんだ場所に対して、座面と背中のシートの間に挟むようにジョイントマットを置いたところ、その後、数か月シートを倒したままで使用しても無傷であることを確認しました。
同様に革シートの車をお持ちの方にはおススメです。

電源コードが見えていますが、これは前席と後席の間の足元にポータブルバッテリーを置いているからです。これから記していきますが、私の場合、足元に箱やクッションなどを入れる必要が無いので、車中泊時は荷物や靴などを置いています。

座面を倒した上に、ベッドスペースを作っていきます。今のままでは寝る為のスペースは150センチ程度の長さしかありません。
運転席と助手席を前へと最大限もっていき、座面も出来るだけ前へ倒します。
・・・それが本来のベッドスペースを作る手順なのですが、私はある程度仕上げてから、現地到着後に仕上げるスタイルですので、運転席と助手席は乗れる(運転出来る)態勢のまま、ベッドメイキングを続けていきます。

ベッドスペースの延長の為、ホームセンターで買った木板を2枚設置します。寸法は900㎜×450㎜の一般的な既製品。
ビニール袋に入れているのは、滑りやすくするためです。この後、板の上にマットレスも敷いた後で、現地到着後に木板を前に滑らせ、スムーズに動かすための措置です。

木板の上に6つ折りマットレスを敷きます。右側が盛り上がっているのは、6つ折りのうちの2ピース分が重なっているからで、現地到着後は、この畳んである部分を開いて長くするわけです。
このように簡単に調整出来るのが6つ折りマットレスの長所で、逆にインフレーターマットは寝心地は良いですが、空気で膨らませる為、サイズの融通が利きません。

インフレーターマットに比べると6つ折りマットレスはやや硬い(もしくは商品によっては逆に柔らかいが故に床の硬さを感じてしまう)ので、底冷え対策と寝心地アップの為に『キャンプマット』を敷いています。
しかし、夏場は無い方が肌触りはサッパリするので、暑さ対策を考える時には多少の寝心地よりもそちらを優先し、使用していません。今回は冬なので敷いています。

寝袋も展開しておきます。右下の足元に見えるのがポータブルバッテリー。左端に見える黒い幕はマグネットカーテン。これをリアハッチを開けた状態でパッキン周りに装着しておくと、後席と荷室の間に遮光する幕として使えます。
私の車種はリアガラスはプラスチックに覆われ、マグネットカーテンが付けられないので車中泊時にはリアハッチ側につけて目隠しにしています。


私の使用している『寝袋(キャプテンスタッグ・エクスギア1200)』は足元のジッパーが開くので、足側から電気毛布を入れて、上の画像のように電源コードを出しています。頭側に電源線が這っていると腕に絡まって邪魔です。
これで家を出る前の準備は完了です。
それでは車中泊をする道の駅に向かいましょう。目的地は山梨県富士五湖近くの『道の駅なるさわ』。

「大きいなぁ~」
と何度見ても思わずため息が出てしまう、間近で見る富士山は最高です。
車中泊の良い所は晴天なら出掛け、雨天なら止めるといった判断が当日でも出来る所ですね。
現地に到着したら、途中だったフルフラットのベッドスペースを完成させていきます。

運転席と助手席を一番前まで移動させ、限界まで前傾させます。すると400㎜程のスペースが出来ます。
ここからは様々なパターンがあり、この空間にコンテナボックスを置いたり、踏み台を置いたり、ベッドの脚を作る必要があります。
レクサスUXの場合は簡単でセンターコンソールと倒した後部座席が水平なので、これをベッドの脚にします。(下図参照)

このように木板を2枚設置します。これでセンターコンソールと後部座席で3点支持のような状態になります。安定するのか疑問に思う方もいるでしょうが、右端か左端の1点を踏むような体重のかけ方をしない限り問題ありません。ただし、木板だけだと安定しないのは確かなので、この上にマットレスを敷いてから乗り込んでください。
マットレスの面積と重さで安定するので、膝で乗り込んで崩れたことはありません。

これでフルフラットのベッドスペースの完成です。後部座席を倒しただけでは1500㎜程度だったのが、シートバックぎりぎりまでマットレスを敷いて1900㎜のベッドスペースになりました。
上記のようなセンターコンソールが水平な位置にない場合のベッドスペース作成は、主に2つの方法があります。
1つはシークレットベースさんという業者の『フラットマン』という商品で、運転席などのヘッドレストに紐をつけて、板を吊り下げる方式。
イメージはバスや新幹線のシートバックに付いているテーブルですね。
DIYで同様の物を作った方がいらっしゃるので、以下の動画をご覧ください。
この方法のメリットは吊り下げ板を外してしまえば、場所を取らないコンパクトな設計であることですね。しかも設置も撤去も簡単で、車種によっては違う車でも流用可能な点。デメリットは耐荷重が大きいとは言えない点ですが、そもそもここに尻を乗せるような行為がNGで、普通に寝る分には問題ありません。
もう一つは塩ビ管を組み立てて足場を作ったり、踏み台や折り畳みコンテナを設置する方法。要は物理的に埋めてしまうということですね。塩ビ管の組み立ては以下の動画をご参考にして下さい。
メリットは耐荷重が大きい点です。小さなお子さんなど、耐荷重を理解していない方が車中泊する際には安全性が高いです。また、車中泊以外にも重い荷物を運ぶ為に積載力強化に有効ですね。
デメリットは足元スペースを埋めてしまうので、そこを収納スペースとして利用出来ない事。靴や、かばんなど収納スペースが減ると室内スペースを圧迫してしまいます。
また、塩ビ管に関してはベッドスペースの撤去の際、四角い塊なので邪魔になります。
折り畳み出来る踏み台やコンテナの方が撤去した時の置き場所には有利ですね。

ベッドスペースが完成したら、あとはカーテンやサンシェードを設置したら完成です。サンルーフが付いているので写真を撮る用に開けていますが、日中でも全面を覆えばかなり暗くなります。
フロントガラスは真夏に使う一般的なサンシェードで充分です。
サイドの窓はマグネットカーテン。リアガラスは吸盤タイプを使用(プラスチック部しかない為)。
ただ、リアは電熱線が入っていて凸凹があるため、吸盤が剥れ易いです。
その為、『サンエー』の『吸盤補助板』という商品(硬いプラスチックのシール)を貼ってから、その上に吸盤をつければ、まず剥がれません。

これを狭いと感じるか充分と感じるかは個人によって異なるでしょう。
・・・ええ、狭いです!(笑)
しかしながら、妻と二人で寝るという行為そのものには充分です。飲食は出来ません。この車だとベッドスペースを完成後は運転席、助手席は乗り込むことも不可能なので『座る』という態勢が取れません。
以前乗っていた車はベッドを設置した後も、助手席で飲食が可能でした。その時の車中泊の様子はまた、別の機会に・・・。
さて、ここからは様々なシチュエーションで感じたこと。
まず雨天時。もちろん雨の強さにはよるのですが、雨音が車の天井に当たる音というのは意外にもうるさいです。シトシトという心地良い音ではなく、パタパタという音で私は気になって起きてしまいました。こういう時の為に耳栓を持参することをおススメします。
耳栓は道の駅の車中泊で近くに大型トラックがいる時も有効です。一晩中アイドリングをしているトラックは窓を閉めても中々うるさいです。
このアイドリングの話と関連するところで、ハイブリッド車のメリットについて。
愛車のレクサスはハイブリッドなので、一晩中アイドリングを継続せずに冷暖房をつけたままで車中泊をすることが可能です。(※推奨しているわけではありません。)
どういうことかというと、ハイブリッド車(もちろん車種によります)はエンジンを掛けた状態でも、停車時は充電があればアイドリングがストップします。
待機状態となり、バッテリーが不足すると自動でエンジンが始動し、充電が始まります。
よって冷暖房をつけっぱなしにしても、バッテリー残量があればエンジンは停止したままなのです。
バッテリーが上がることはありません。(もちろんアクセサリーモードなどではなくエンジンはONです!)
具体的には外気温0℃で暖房19℃設定、風量最弱固定で使用した場合、10~15分に1回エンジンが起動し、その後1分間アイドリング状態で充電。
1分後エンジンは停止し、また10~15分間はアイドリングせず。
・・・というローテが繰り返されました。
下の画像2枚をご覧ください。
1枚目はエンジン起動時で2枚目は7時間半その状態を続けた結果です。


気になるのは7時間半でどの位のガソリンを使ったのか。
計算は以下の通りです。計算方法に興味が無い方は下の枠線の中は飛ばして頂いて結構です。
夜から朝までで減った航続可能距離が約30㎞分。
夜から朝までで4.6%分のガソリンを消費。
ガソリンタンクは43L。
4.6%は2.1Lに相当。
つまり、7時間半の暖房使用で約2Lのガソリンを消費しました。
ガソリン残量を気にする必要が全く無い程の余裕ですね。
ハイブリッド車ならガソリン車と違い、ほぼアイドリング停止状態で暖房使用が出来るので、このような省エネが可能なのです。
外気温0℃という厳しい環境でも、僅かなガソリン消費で一晩快適に寝られます。
(この結果はあくまでレクサスUXの物です。マイルドハイブリッドと呼ばれる小さなバッテリーしか持たない半端なハイブリッド車は蓄電量が少ないのでこうはいきません。)
また、暖房運転のメリットは他にもあり、結露対策になります。
冬の車中泊は本当にびっくりする位、結露で内ガラスがビショビショになります。
締め切った状態で人の呼気などにより結露しているので、窓を開けて寝るか、暖房をつけて湿度を逃がすしか方法はありません。
ちなみに、19℃設定ですが、電気毛布も併用しているのでトレーナー1枚で寝ていましたが、少し暑い位でした。(レクサスUXはそれ以下の温度設定はオート風量になってしまうので不可)
災害時や雪の立ち往生時にも、これだけ省エネが出来ると心強いです。
しかしながら、このやり方を公に推奨しづらいのには2点の理由があります。
まず、アイドリングストップ条例が施行されている地域では条例違反になる可能性があります。
ただし、自治体によって異なるので一概に明言は出来ません。
例えば、山梨県韮崎市のアイドリングストップ条例では除外される項目に
『必要最低限の暖機運転の場合』
『人命・健康・財産を守るために、必要がある場合』
(”韮崎市公式ホームページより引用”)
と記載があります。
条例は地域で異なる為、これ以上ここでは述べません。
2点目は道の駅のルールとしてアイドリングが禁止されている場合があることと、他車への迷惑になる可能性があること。マナーの問題ですね。
程度問題でいえば、ガソリン車よりも随分マシだと言えますが、ハイブリッド車でも完全に常時アイドリング停止をすることは叶いませんから、隣に車中泊の車がいるような状況では、マナー違反には違いありません。
そもそも、1秒でもダメなものはダメだという意見も当然あるでしょうから、その場合はPHEVか、EVなどの車を選べば良いでしょう。
例えばEV(電気自動車)には内燃機関が無く、アイドリングという概念もありませんから、冷暖房を使い続けても条例には触れません。(条例の目的はCO2排出を減らす事で、電気自動車はそもそもCO2を排出しません。)
PHEVはバッテリーのみで実質60㎞走行出来るとされていますので、満充電させた状態ならば一晩は余裕でアイドリング一切の無しの暖房使用が理屈上は可能なはずです。(要検証)
最後に車中泊で起きる、細かなことをいくつか紹介します。
まず夏の車中泊では虫よけスプレーや『蚊取り線香』は必須です。(網戸を設置した上で窓は開けて下さい)
サンルーフを開けて星空を眺める・・・なんてロマンチックなことをしていて、蚊の侵入を許し散々なことになったこともありますし、川辺の道の駅でせせらぎを聞きながら寝ることに憧れていたら、現地は蚊だらけだった・・・とか、現実は色々あるので、準備は万全にして下さい。
また、私のように2人で車中泊をする方は、車内の余るスペースが少ないので物の置き場はきちんと事前に決めて、収納スペースを作った方が良いです。
照明を持っていっても家のように明るくないですし、狭いので置き場所を忘れると探しづらいです。
車には謎の隙間も多いので、あらぬ所に入ってしまい見つからなくなることがあります。
最も注意すべきは、扉の開け閉めで外に携帯や財布などを落とさないこと。
暗い、狭い、睡眠中に無意識に落とす・・・など、車中泊は紛失する条件がかなり揃う環境なので、注意が必要です。
小物入れや、小さなトートバッグなどまとめられる袋を用意しましょう。歯ブラシや液体石鹸なども忘れずに。石鹸はミニボトルに移すとコンパクトに納まります。
道の駅はトイレに石鹸が無い場所もあるので、コンタクトレンズの方や飲食をする方は衛生面を考えても大切です。
私は車内で調理等を行いませんが、もしも料理を行う方は、キャンプと車中泊は違うことを認識して下さい。
道の駅のルールにもよりますが、基本的に敷地内では火気厳禁です。車内においても可燃物が多く狭い環境で火を使うのは危険です。
よって、バーナーやガスコンロでの調理はお勧めできません。
調理をする際にはポータブルバッテリーを用いて、IHクッキングヒーターや湯沸かし器といった火の出ない電磁調理器を使用しましょう。冬季は窓をしめているので燃焼による一酸化炭素中毒の対策にもなります。
以上が車中泊における一連の流れです。
今回は私の愛車を使っての車中泊の紹介でしたが、これを見て
「快適そうだなぁ~」
と思う方は皆無でしょう(笑)
「車中泊がし易いとは言えないのに、何故この車を選んだの?」
と聞かれたら、その答えは
「車中泊だけを目的に車を選んでいないから。」
です。
旅の道中のワインディングを爽快に走ったり、長時間疲れないシートの快適さなど、車の性能を語る時、車中泊の適性とはその中の小さな要素に過ぎません。
私にとって車中泊は『目的ではなく手段』です。
ですから、このサイトでは車種別のデータなどを記載することで、その車種の車中泊適性を予測し
「何が出来て、何が出来ないか。」
に納得して車選びをすることが大切だと考えています。
もちろん、その中で車中泊に特化した車種は存在しますので、そうした車中泊向け車種の評価もしていきたいと思います。
・・・このカテゴリーでは今後、投稿ページにて車中泊のコツやアイデアなどを紹介していきたいと思います。
(※同様にホンダZR-Vのベッドスペース作成方法も記しています。)