2025年6月2日
=目次=
①コンパクトカーと軽自動車の比較
②コンパクトSUVと軽自動車の比較
前回記事にした『軽自動車とコンパクトカーの費用比較』の結論としては、おおよそ同額の例を示しながらも重要なのは車種によるリセールバリュー(残価率)の違いであるとしました。
軽自動車とコンパクトカーのリセール推移10年比較【どちらが安い】 | 車中泊・車比較サイト〜ねるくる〜
今回は車種の違いで、どう変化するかも含めて前回の補足をしていきたいと思います。
コンパクトカーと軽自動車の比較
早速ですが軽自動車を前回と違う車種で比較してみましょう。
前回も登場のホンダのコンパクトカー・フィット(ガソリン)と同じくホンダの軽自動車・N‐BOX(ガソリン)の10年落ちまでのリセールバリューのグラフです。
1年に1万キロ走行が目安になっています。
グレード等によっても異なるのであくまで参考値として捉えて下さい。

この2車種は似たようなリセールバリューとなっていますが、ややフィットが有利。
3年目から差が開くのは輸出による需要の有無の違いでしょう。
仮に全く同じリセールならば、車体・維持費の安い軽自動車の方が総額でも安いことになりますが、タイミングによって同じであったり、差が出たりするのは単なるデータのブレのこともあるものの、こうした輸出による実需で特定の年数だけ影響を及ぼします。
この2車種を比較したのはホンダ・ディーラーの営業マンの悩みで
「フィットを買いに来た客が、軽自動車のN‐BOXを見て満足してしまって、そちらを買ってしまう。」
という皮肉な話を聞いたことがあるからで、実際に両者を比較してみたくなったのです。
N‐BOXが優れた自動車であるという自信はあるものの、同時にそのせいで、より利益の大きい普通車が売れなくなってしまうジレンマ・・・というわけですね。
それでは両者の費用の概算を見てみましょう。
グレード等によっても変わるので一例として捉えて下さい。
| 車種 | フィット | N-BOX |
| 価格 | 198万円 | 187万円 |
| エンジン | ガソリン | ガソリン |
| 燃費 | 18.5㎞/L | 19.4㎞/L |
| 燃料代 | 約43万円 | 約41万円 |
| 自動車税 | 約15万円 | 約5万円 |
| 売却価格 | 126万円 | 112万円 |
| 5年トータルコスト | 約130万円 | 約121万円 |
※燃料代に関しては年間1万キロ走行でリッターあたり160円で計算しています
このフィットとN‐BOXの比較は車両代金も燃費もほとんど同じなので、残った要素である税金とリセールの勝負になっていますね。
多少、軽自動車の方が安く済んでいますが、年間に換算すると2万円程度です。
タイヤ交換や車検代などは含めていないので実際にはもう少し差は生まれるでしょうが、思ったほどのコスト差は無いなという印象です。
とはいえ、両者の乗り心地などを試乗で体感してもらった上であまりコンパクトカーの優位性を感じてもらえないのなら、確かにN‐BOXになってしまうかも知れませんね。
コンパクトSUVと軽自動車の比較
さて、前回「コンパクトカーか軽自動車かという括りで比較するのは止めましょう。」とお伝えしました。
冒頭で書いた通り、リセールバリューこそがトータルコストを決める最も大きな要因だからです。
では、コンパクトな車の中でも高いリセールバリューを誇る車種ならば、軽自動車とどの位コストの差が生まれるのか違いを紹介したいと思います。
軽自動車は先ほどのグラフとの比較のためにも引き続きN‐BOXです。
昨年の『日本で年間で一番売れた車』としても有名な軽自動車の代表格となっており、例としても分かりやすい指標になるでしょう。
一方でコンパクトカーはトヨタ・ライズ(ガソリン)。
全長約4000㎜、全幅約1700㎜とフィットやヤリス、アクア、ノートなど主要なコンパクトカーとほぼ同サイズです。
大きな違いは最低地上高が高く、寸法以上に大きく見えることもあって近年人気のコンパクトSUVです。
小排気量で最低地上高もあることから海外需要が大きく、それがリセールバリューの高さの理由の一つになっていると思われます。
ライズとN‐BOXの比較の結果はこちら。

現在ライズは発売からまだ6年しか経過していないのでその範囲での比較です。
ちなみにライズと同じ車両のダイハツ・ロッキーの方がリセールは悪いです。
トヨタのブランド力は日本はもちろん海外なら尚更です。
そして軽自動車は日本のガラパゴス仕様なので基本的に海外需要はほとんどありません。
その証拠となるのが輸出台数で、国内での新車販売台数に対して非常に少ないです。
一方でライズが3年落ち、4年落ち辺りでリセールバリューが経年で下がるどころか、逆に上げている現象が起きており、これが輸出需要が強く出ている車種の傾向です。
日本車を最も輸入しているロシアを中心に3年落ちから5年落ち未満までが最も活発な取引が行われる期間で、ガソリン車に関しては各国の輸入制限の一つの区切りが上記の年数なので、相場が高騰するのです。
ここまでリセールバリューに差が出ると、当然トータルコストにも大きな影響を与えます。
それでは先ほどと同じく、費用の概算を見ていきましょう。
なお、ライズは数年前に1L→1.2Lにエンジンが変更されており、それに伴い税金も増額されていますが、ここでは目安として現在の値での算出です。
| 車種 | ライズ | N-BOX |
| 価格 | 215万円 | 187万円 |
| エンジン | ガソリン | ガソリン |
| 燃費 | 20.7㎞/L | 19.4㎞/L |
| 燃料代 | 約38万円 | 約41万円 |
| 自動車税 | 約15万円 | 約5万円 |
| 売却価格 | 172万円 | 112万円 |
| 5年トータルコスト | 約96万円 | 約121万円 |
※燃料代に関しては年間1万キロ走行でリッターあたり160円で計算しています
初期費用の差はさきほどのフィットよりも高いのですが、リセールバリューが優れているライズは売却金額で大きく逆転する為、トータルコストでもN‐BOXを大きく引き離しています。
「軽自動車はコストが安いからお財布に優しい。お得。」
と信じる方は、軽自動車の方が25万円も多く費用が掛かってしまっていることに驚かれることでしょう。
ちなみに前回紹介した日産のデイズの5年トータルコストは132万円でしたので、ライズと比べると36万の差ですね。(※タイヤ、車検代など他の要素もありますが割愛しています。あくまで概算であることをご了承下さい。)
繰り返しになりますが、このようにリセールバリューこそコストの計算において最も重要な要素なので、軽自動車だからとか、税金が安いからといか、そういう観点だけで決め付けてはいけません。
カテゴリーではなく、車種で考える・・・というのがトータルコストの計算やどちらか得かを考える上で最も重要なことなのです。